人間の食事視点での違い

犬に与えるのは市販されているドッグフードが良いのか、完全手作り食が良いのか。
愛犬家の間ではそれぞれの考え方があり、意見が割れる話題ですが、実は獣医師の間でも見解が様々です。
そのため、どちらにして良いのか迷う飼い主の方は多いと思います。

そこで、犬と人間が必要とする栄養バランスの違いから見てみましょう。
成犬と人間の成人が食事の中で必要とする栄養バランスで違う点はいくつかあります。
まず、タンパク質、カルシウム、リン、亜鉛、鉄、ビタミンB1、ビタミンB2については、人間よりも多く摂る必要があります。

とくにカルシウムは人間よりも成犬の方が6倍必要だと言われているほど。
人間の食事では、特に最近カルシウム不足が叫ばれていますので、犬にとっては到底足りません。骨がもろくなってしまい、ちょっとしたことで骨折する原因となります。
また、人間にも犬にも食塩は必要ですが、人間の食事にはかなり多くの食塩が使われており、犬の体では多すぎます。そのため、人間の食事を与える際は、食塩がほとんど使われていないものをチョイスする必要があります。

皮膚の再生などを促すビタミンCですが、実は犬の体内では合成することができない栄養素。
そのため、犬には必要ない栄養素なのです。
このように、犬と人間では必要な栄養素が違いますので、食事の内容を同じにすることはできないことが分かります。

しかし、ドッグフードを餌皿に盛っているのに、人間が居る食卓に来て、ごはんを欲しがる犬もいます。
普段から人間の食べ物を与えていると、舌が慣れてしまい味覚が変化し、ドッグフードを食べなくなってしまいます。

こうなってしまった場合、手作りフードにドッグフードを少しずつ混ぜて、ゆっくりドッグフードへシフトチェンジしていきましょう。
例えば、ごはんとお芋を柔らかく煮て、キャベツの細切りや鶏肉の小さな角切りを入れて、これにドッグフードのドライタイプを少量入れてふやかして与えていく方法などがあります。
このときにブイヨンや食塩は必要ありません。
少しずつドッグフードの比率を増やしていき、最終的には再び完全ドッグフードを食べてくれるように戻していきましょう。
やはり、犬のために作られたドッグフードで体を作っていく方が、長い目で見ても強いからだを作ることができます。